mikarn777’s diary

歌詞や小説、時々日記など載せていきます。

死神【短編小説】

生きたい。このまま生きたい。

何故生きたい?何の為に生きたい?惨めなものだぞ、お前の人生なんて

分からない、死ぬのが怖いから

死より恐ろし物なんていくらでもあるぞ

何のことだ

お前も気づいているはずだ。それは孤独、お前の大切な物にも寿命はある、友の死をお前は耐えられるのか?

私はどうすればいいのだ、私はどうすればいいのだ

その騙して集めた劇薬があるだろう、それを飲めばいい

死んだらどうなるの

遺伝子の鎖から解き放たれて無に帰る、それだけだ

無、無とは何なのだ

魂なんて物は死に怯えた妄言だ、そんなことはもう気付いているだろ

そんな事は分かっている、そんな事は分かっているんだよ

神が先では無い、人間が先なのだ

じゃあお前は何者なんだ

私はクリーチャー人間が作り出した、死神、私はいない

分かっているけど

死にたいんじゃ無いのか?生きるのは辛いだろう、もう悩まなくて済むぞ

私は死にたいんじゃない、幸せになれるなら生きたい

お前は幸せにはなれない、幸せとは何だかわかるのか?

幸せ、美人と結婚して、金があって

お前はそれで苦悩から逃れられると思っているのか、私が消える事は無い

お前は一生いるのか

あゝお前のクリーチャーだからなお前の思考そのものだから

私はお前なんか作り出した記憶はない

じゃあ何故私は生まれた?過去の過ちの繰り返し悔いた記憶、怠惰

もう、分かったよ、いなくなってくれよ、もう疲れたよ

私はお前だ、別れる方法は知っているはずだ

うるさい

さあ呪縛から解放されようじゃないか

うるさい

命なんて大して尊い物じゃない

うるさい

共存していくのか嫌悪する私と

私にはまだやりたい事があるんだ

そんな物全て仮初の延命治療に過ぎない

そうだよ、そうだけど、怖いんだ

何が怖い?無に帰る事か?この地獄で惨めに生き残る方が恐ろしいだろう

あゝ惨めだ、私に価値などない

このまま死に怯えて生きるのか?死の恐怖から解放されるべきだ

何かを遺したい、私が生きた証を

不可能だ、誰の記憶に残る事もできやしない

あゝでも、そうだよな、葬式で泣いて貰えるだろうか

泣かないさ、皆、すぐに普段の生活に戻っていく

そうなのか

あゝお前は友や家族をそんなに大切にして来たのか?

それは

お前には何の価値もないんだよ、認めなさい

そうだよな、あゝ私には何の価値もない、結婚してみたかったな

やめとけ、お前は誰も幸せになんか出来ない、不幸を量産するだけだ

そうだよな

お前が生きてるだけで皆迷惑なんだ、犯罪に手を染める前にさぁ

犯罪か

生きる為には死ぬか、犯罪を犯すしか思いつかないだろ

私はどうすればいいんだ

学生時代も多くの人に迷惑をかけて仕事ではお荷物、もう辞めちまえよ

一度くらい褒めてもらいたかった

お前には無理だ、無能だからな、何をしても無駄

あゝでも私は命懸けで産んでくれた人がいる

その人に迷惑をかけてるのもお前だろう

あゝそうだ

どの道迷惑をかけるなら一度の方がましでは無いのか?生にしがみつくならそれこそ醜いぞ、生き延びてもお前に価値などない、命などそれほど尊いものでは無い、お前が死ななくとも誰かが死ぬ、名前の知らなぬ誰かがな、動物や虫や微生物が死ぬのとなりより変わらない、お前のもつ美学などその程度なのだよ、余念生きてしまった事に対する拙い道徳観がお前を騙しているだけ

なら死神よ、お前に価値はあるのか

私も同等に価値などない、私はお前なのだから

こんな時でも涙は出ない、恐怖もない何故私は壊れてしまったのだろうか、いつから幸福を諦めてしまったのだろうかお前と出会ってしまったのだろうか

私は誰の中にも存在する、私は生存本能の中にある防衛思想の魂魄、思考あるものには必ず住み着いている、私はお前を守る為に存在しているのだよ

守る?死神が?

そうだ、生の苦しみから守る為に存在しているのだよ、最大の逃避行動その物だ。お前はこれまで何度も逃げ出し、投げ出してきた、そこに染み付いた仮想現実、私は虚像であり確かに存在する現実、逃げ場はない、お前が閉ざしてしまったから

病に倒れる方がマシだったかもな、同情もして貰えたかも知れない、事故で死ねるなら許して貰えるだろう

何を選んでも必ず死ぬんだ、そこに美学を求めてはいけない、どんなに無様でもどんなに美談でもどうせ何も残らない、皆灰になるだけ

あゝそうだな、でも

生きたいのか?

どうだろう、解らない、生きたいのだろうか、何不自由なければ、評価されれば、生きてていいのならば本当は生きていたい

現実を見ろ、お前にはなんの才能もない、誰からも必要とされない、お前の人生なんてそんなもんだ、生きていてはいけない存在なんだ、その思考すら無駄なこと、私との対話すら、もう答えは出てるはずだ

悔しいな、もし歌が上手かったら、もし絵が上手かったら、もしあの時選択を変えていたら、もっとマシな人生をおくれたかもしれないのにな

人生にたらればなんて言ってる時点で終わりは見えてるだろう、お前の価値なんてその程度だ

私は何者なのだろう、例えばお前を失ったとして私は生きていけるのだろうか、お前がいるから生きづらいはずなのにお前のいない人生なんて想像出来ない、逃げ道として、依存してるのかも知れない、苦しいのに、恋しくて、でも生きる為にはお前とは別れないといけない、お前といたら幸せにはなれない

私の存在を否定すること出来ないはずだ、どう足掻こうとも死の束縛からは逃れることは出来ない、お前の一番幸せな瞬間を選び終わらせてやろうか

残酷だな、お前は

そういうものさ、お前の人生なんて

て事は今後に幸福になれる事があるということか?

あると言えばあるがないと言えばないに等しい、死の不安を背負い本当に笑えると思うか?

死ななければいいのかな?

本当にそう思うのか一生死なずに生きていくそれこそ絶望だぞ

そりゃそうだよな

お前が生に縋り付く気持ちも分からなくは無いけどな、確かに楽しかった記憶もあるんだろう、でもその数倍辛かった事もあるだろ、罪も犯して、バレずにのうのうと生きてる、もう腹を括ったらどうなんだ

そう急かすなよ、私だって色々考えてるんだから

惨めだね、生き恥を晒すというのは

死に脅え続けるのは死刑囚と何も変わらない、運命というのは残酷だ、神は悪人だね

妄信的な思考だね、さっきも言ったがこの世には死神以外の神は存在しない、まあ、私と同じで作り出すことは出来るがな宗教家にでもなるつもりか?

でもそっちの方が楽に思える時もあるよ、戒律は面倒そうだけどね、でも何かを信じて、何かのルールに縛られた方がよっぽど楽かも知れない、孤独でもないしね

何を信じるかは自由だけど、何も続かない、お前には向いてないと思うよ

まあ、それは冗談だとして終活はするべきだよな

資産なんてないだろ

まあ、でも遺書とか掃除くらいはしときたいでしょ

死んだら関係ないよそんなもの

はあ、借金だけ残す形になるな

それも死んだら関係ないよ

そうは言っても死ぬのは怖いよ

酒でも飲めばいいじゃないか、好きだろ、本望だろ、祖母の作った梅酒と睡眠薬、準備は整ってるじゃないか

そうは言ってもな

生き残る方がよっぽど苦しいぞ、もし介護が必要な歳まで生きたとしたら、それこそもう自殺なんて出来ないぞ、生き地獄、苦しいぞ

まあ、そんな生きるつもりはないよ

はあ、ため息が出るよ、お前には、じゃあいつまで生きるの?

それは

さっさと死ねばいい

あゝ、でも、あと1日まってくれ

何だよ、見たいテレビでもあるのか?

そんなんじゃないけど、準備くらいさせろよ

明日死ぬ明日死ぬっていつまで言い続けるんだよ

明日、また明日っ生きててもいいじゃないか

それって楽しいか?

全く楽しくはないよ

そうだろ

でもさ、怖いんだよ、生存本能?それがあるんだよ、どんなに腐り切ってても

害悪、害悪、害悪、早く死なないと、迷惑何だって、お前の存在は

分かったてば